農薬の土壌溶脱に関する分散係数とシミュレーションの問題点
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
筑波土壌-ピクリン酸系が示す分散係数Dの変動は大きいが, 空隙水移動速度U>0.1 cm/minではDがUとともに増大する傾向が認められ, その回帰式はD=0.46U-0.053となった.U<0.1 cm/minでのDの平均は0.012 cm^2/minで, Uの影響は認められない.直径3.2 cm, 長さ3.3 cm土壌カラムによる溶脱実験は計算ピークの前後に一つずつ二つのピークを示し, 直径3.0 cm, 長さ27 cmカラムでは計算ピークの前に一つのピークを示した.これらは壁効果によって説明できる.鴻巣水田土壌-ピクリン酸系でUの影響が認められないときはD=0.14 cm^2/hrであった.筑波土壌へのフロインドリッヒ吸着係数と指数はピクリン酸で3.84と0.816, オキサミルで0.33と0.828(ppm単位)であった.オキサミルではU=0.06 cm/minのときD=0.008 cm^2/minで, ピクリン酸とほぼ同一であった.これらは, 分散係数が分散する物質自身の違いよりも土壌の違いによって大きく影響されることを示唆している.
- 日本農薬学会の論文
- 1984-02-20
著者
関連論文
- イネ苗立枯症の病原細菌が産生する発根抑制物質トロポロン
- 土壌中における農薬の多点減衰モデル
- 農薬の溶脱試験法の提案
- 農薬の土壌溶脱に関する分散係数とシミュレーションの問題点
- 水溶性物質(ピクリン酸)の土壌内移動を予測するための諸因子
- 第二回大会懇親会覚え書
- エステルの化学名
- デカクロル化によるPCBの定量法 土壌および農作物(玄米)分析への応用(速報)
- 錯塩生成によるボルドー液の溶出に就て
- 葉の界面化学的研究(1)-濡れの測定法と測定例-
- Dibutyl N-methyl-N-phenylphosphoramidate による Pyricularia oryzae におけるリン脂質メチル基転移反応阻害と phosphoramidate-phosphorothiolate 間の負相関交叉耐性
- 24.PCPの植物吸収,層位別分布,地下流亡(関東支部講演会講演要旨)
- 1C・6 陽イオン交換樹脂によるPCPの吸着(土壌化学(土壌無機成分・土壌鉱物および膠質複合体))
- フェノール類の酸性白土による吸着
- パラ置換ニトロベンゼンの土壌吸着
- PCPの土壌吸着(第3報) : 土壌の物理的性質とPCP吸着
- PCPの土壌吸着(第2報) : 腐植, pHおよび置換塩基の種類がPCP吸着に及ぼす影響
- PCPの土壌吸着(第1報) : PCP吸着の大きさとその表わし方
- 5 土壌中におけるクロールピクリンの簡易定量法(関東支部講演会講演要旨)
- (120) クロルピクリンの簡易定量法 (殺菌剤(昭和43年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- デカクロル化によるPCBの定量法 土壌および農作物(玄米)分析への応用
- 錯鹽生成によるボルドー液の溶出に就て
- 32. PCPの畑土壌中における分解
- 4E・7 土壌中における有機水銀化合物の行動(土壌化学 : 土壌鉱物および膠質複合体)
- (183) 土壌水分と PCNB の移動 (殺菌剤(昭和40年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- イオン交換樹脂によるパラ置換ニトロベンゼンの吸着
- 陽イオン交換樹脂によるペンタクロロフェノールの吸着
- 葉の界面化學的研究 : (第1報)濡れの測定法と測定例