水溶性物質(ピクリン酸)の土壌内移動を予測するための諸因子
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概要
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プレート説では土壌カラムの理論段数と有効吸着率があればカラム内の物質移動を予測できる.固定液相中の物質は吸着されていると見なしその濃度は移動液相と同一として有効吸着率を計算する.レート説では吸着平衡式, 容積比重, 飽和容水量, 固定液相率, 分散係数, 流速を用いる.14.9ppmピクリン酸溶液を長さ3.3cmの土壌カラムに滴下して得た溶出曲線から, 理論段数, 有効吸着率および分散係数を算出したのち, 前2者はプレートモデルの多項式に, 後者は連続型モデルの偏微分方程式に代入し, コンピュータにより理論曲線を求めた.これらは実験曲線にほぼ一致した.これら3因子に及ぼす流速の影響は高度に有意であった.理論段数および分散係数の流速を独立変数にとった回帰直線からの偏差の変動係数は大きく, 有効吸着率のそれは小さかった.これはカラムの再現性が良くないことを反映しているようである.理論段数とBrenner数(流速×カラム長/分散係数)との相関は高度に有意であった.この結果から分散係数を正確に推定すれば, 野外における物質移動を正しく予測することが可能と思われる.
- 日本農薬学会の論文
- 1983-02-20
著者
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