殺虫剤カルタップ塩酸塩の土壌酵素活性, 呼吸作用および硝化作用に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カルタップ塩酸塩(パダン^[○!R])の土壌酵素活性(あるいは生成), 呼吸作用および硝化作用に及ぼす影響について30あるいは60日間調査した.畑および水田状態のセルラーゼとサッカラーゼ活性はカルタップ塩酸塩の1, 000ppm処理でも影響を受けなかった.両状態におけるフォスファターゼ活性は1, 000ppm処理によって最初低下したが, その後回復した.水田状態におけるプロテアーゼ活性は1, 000ppm処理によって15日間低下したが, 30日後には無処理を上回った.畑状態におけるこの活性は100および1, 000ppm処理によって60日間低下した.呼吸作用は1, 000ppm処理によって30日間抑制されたが, その後回復した.カルタップ塩酸塩の100あるいは1, 000ppmで処理した土壌におけるNH_4^+-Nは増加し, NO_2^--NとNO_3^--Nは減少した.これらの結果は硝化菌が高濃度のカルタップ塩酸塩によって影響を受けたことを示唆している.カルタップ塩酸塩の通常施用量(10ppm)は畑および水田状態のいかんにかかわらず, 4種の酵素活性, 呼吸作用および硝化作用にほとんどあるいはまったく影響を与えなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 1982-05-20
著者
-
遠藤 敏夫
Research Laboratories Agricultural Chemicals Division Takeda Chemical Industries Ltd.
-
日下 大器
Research Laboratories, Agricultural Chemicals Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
-
丹 信行
Research Laboratories, Agricultural Chemicals Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
-
坂井 道彦
Research Laboratories, Agricultural Chemicals Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
-
坂井 道彦
武田薬品工業(株)
-
丹 信行
Research Laboratories Agricultural Chemicals Division Takeda Chemical Industries Ltd.
-
日下 大器
Research Laboratories Agricultural Chemicals Division Takeda Chemical Industries Ltd.
-
日下 大器
Research And Development Division Takeda Chemical Ind. Ltd.
関連論文
- アワヨトウおよびクサシロヨトウの性フェロモン
- パリダマイシンAの土壌中での挙動
- ミルディオマイシンの各種うどんこ病に対する効果
- オオムギ幼苗を用いたうどんこ病防除物質の探索
- カルタップの殺虫効力, 特にニカメイチュウ防除薬剤としての特性
- The Structure of Aristeromycin
- ツマグロヨコバイのイネ萎縮病媒介に対するカルタップの抑制作用
- カルタップとDCPAとの混用によるニカメイチュウとヒエの同時防除効果
- ガスクロマトグラフィー及びポーラログラフィーによるネライストキシンとネライストキシンモノオキシドとの分別定量法
- 稲体へのカルタップ塩酸塩の吸収と移行
- 土壌中カルタップ塩酸塩の微量分析法
- 329. Cartapのワモンゴキブリ中枢神経における浸透, 代謝およびシナプスしゃ断作用
- 328. Cartapのりん翅目幼虫における種間選択毒性
- 殺虫剤カルタップ塩酸塩の土壌酵素活性, 呼吸作用および硝化作用に及ぼす影響
- 殺虫剤カルタップ塩酸塩の土壌微生物相に及ぼす影響
- ツマグロヨコバイの吸汁行動に及ぼすカルタップの影響
- 育苗箱処理したカルタップのイネ体への移行と吸汁性昆虫に対する殺虫力
- 新農学シリーズ : 作物保護, 一谷多喜郎・中筋房夫共著, 朝倉書店, 1987, 172 ページ, 2800 円
- カルタップとネライストキシン, ならびにニコチンの作用点と作用機構(農薬の作用点と作用機構 (3))
- 植物起源の脱皮ホルモンの利用(害虫防除への新しいアプローチ)