N-メチル-N-フェニルホスホロアミド酸ジブチルの菌による代謝物の同定とその殺菌力
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概要
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イネいもち病菌, Pyricularia oryzaeによるN-メチル-N-フェニルホスホロアミド酸ジブチル(I)の代謝物の同定を行ない, 薬理上の代謝の意義を知るためそれら代謝物の殺菌力検定を行なった.主代謝物B_1を塩化水素で処理すると6員環状リン酸エステルを生成すること, また, N-メチル-N-フェニルホスホロアミドクロリド酸ブチルと1, 3-ブタンジオールとの反応生成物とB_1とがガスクロマトグラムおよびマススペクトルで一致することからB_1はN-メチル-N-フェニルホスホロアミド酸=ブチル=3-ヒドロキシブチル(III)と同定された.副代謝物DはN-フェニルホスホロアミド酸ジブチル(II)の合成標品とまったく一致した.以上の結果代謝の主経路は(ω-1)-ヒドロキシル化であり, 一部N-脱メチル化もおこることがわかった.胞子発芽法による殺菌力検定ではB_1はIに比し殺菌力は明らかに低かったが, IIはわずかに低いのみであった.B_1が主代謝物であることを考えると代謝全体は解毒と考えられる.
- 日本農薬学会の論文
- 1981-11-20
著者
-
片桐 政子
農環研
-
片桐 政子
National Institute of Agro-Environmental Sciences
-
上杉 康彦
National Institute of Agro-Environmental Sciences
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