育苗箱施用におけるイネ体中のプロパホスの消長
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概要
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プロパホス5%粒剤を水稲の移植直前に育苗箱施用して移植した.土壌中のプロパホス, イネ体中の全プロパホスは施用後から経日的に減少するが, 減少速度はゆるやかで45日後(イネドロオイムシ加害期)でも0.5∿0.7ppm存在した.これは初期濃度に対して土壌中で約10%, イネ体中で約3%に相当する.しかし玄米中には100g施用した場合でもプロパホスおよびその酸化代謝物は検出されなかった.土壌中ではすべてプロパホスであるがイネ体に吸収されると酸化代謝物に変わり, それぞれの比率は葉鞘部ではSO>S》SO_2体, 葉身部ではSO>SO_2》S体でそのほとんどがSO, SO_2体であった.濃度は施用量に比例し葉身部>葉鞘部の傾向であった.なお, イネドロオイムシに対するプロパホスおよびSO体ならびにSO_2体の殺虫活性はほぼ同等とみとめられるが, これらについては別に報告する予定である.
- 日本農薬学会の論文
- 1978-08-20
著者
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江村 一雄
新潟農試
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小山 正一
新潟農試
-
小山 正一
新潟県農業試験場
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江村 一雄
新潟県農業試験場
-
浅香 四郎
日本化薬(株)農薬事業部上尾研究所
-
河内 信行
日本化薬(株)・上尾研究所
-
河内 信行
日本化薬
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