慣用色名の認識について(第2報) : 世代差が与える影響
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概要
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技術革新が進み, 生活環境が変動する今日の社会で, 慣用色名がどのような色域で認識されているのか, また, その認識に影響を与える主因の一つと推察される世代間における差について, 前報の被調査者の母親を対象に同一内容の調査を実施し, 比較検討した。JIS Z 8102から選出した105語の慣用色名に対し, 認識がされている色名は75.2%, 認識があいまいな色名は12.4%, 認識がされていない色名12.4%に大別できた。各色名の反応色域をJIS値と比較した結果, JIS値よりやや異なる色に反応した色名が19.0%あり, その半数は高彩度傾向にあり, 物体色より人工色の影響が及んでいるようである。また, 顔料の色名は認識が高く, 暖色系統の色名は寒色, 紫系統より認識されやすい傾向がみられた。被調査者の生活意識では両世代全体の因子分析で5因子が抽出され, 4因子で世代間差が認められた。若い世代は自然界の物体色よりイメージやファッション性のある色名に対する認識が強いようである。今後JISの改正が行なわれるとするならば, 学校教育での効果が望める顔料関係の色名の充実, 色名の動向を予測する上で若年層の認識傾向の把握, 伝統色の扱いの検討等から時代に即応する色名の選定が望まれる。
- 日本色彩学会の論文
- 1991-01-21
著者
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