山地小流域における流域貯留量と流出量の関係
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概要
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山地流域における洪水流出現象は複雑な要素から成るため、ここの雨水量の持つ平均的法則性を通じて出水現象を把握する方法が有効である。本論文では、ここの雨水量の持つ局所的方法の平均化の手段として流水貯留量に注目し、流域貯留量と流出量の関係から出水形態に関する考察を行った。また、流出解析に必要なパラメーターの平均値検索には、現在盛んに応用研究が行われている最適化手法である遺伝的アルゴリズムを用い、その検索能力を検討した。得られた結果を要約すると以下のとおりである。すなわち、①遺伝的アルゴリズムは、短時間でパラメーターの最適値探索を行うことができる。②流域貯留量と流出量の関係は、ピーク流水量発生時点の付近では直線になり、その傾き(P)は流水貯留量7.6mmを境に変化する。③この7.6mmは水文活性層の厚さに対応し、流水貯留量が7.6mm以下では表面流が発生し始めていると推察される。 以上のように、流水貯留量と流出量の関係から試験流域における出水形態を考察することができた。Typical mountainous basins in Japan have a small drainage area and steep topography. On such small catchments, the average flow-state during flood events can be estimated by the average resistance law. In this paper, the average flow-state and the average resistance law in a study basin were discussed using the relationship between storage and discharge. Ochozu study located in Fukuoka Forest of Kyushu University Forests is a small moutainous basin with a basin area of 0.095㎞[2] and a stream length of 256 m. Inthe basin, rivsr discharge and rainfall have been observed from 1982 to 1987 and from 2001 through 2002. Fifty-three flood events were selected for this study. The storage-discharge relationship was expressed by a strage function model and the oarameters of the model were optimally searched by simple genetic algorithm. The parameter corresponding to the gradient of the storage-discharge relationship varied from event to event and the average resistance law was estimated by this gradient. The results indicated that the average flow-state in the basin was classified into the predominance of overlamd flow described by Manning's formula and that of subsurface runoff described by Darcy's law. The threshould between overland flow and subsurface runoff was estimated to be a basin storage of 7.6mm that is approximately equivqlent to the thickness of zone of major hydrologic activity.
- 九州大学の論文
著者
-
平松 和昭
九州大学大学院農学研究院
-
四ヶ所 四男美
九州大学大学院農学研究院
-
岡田 裕子
太陽コンサルタンツ株式会社
-
四ケ所 四男美
九州大学名誉教授
-
岡田 裕子
九州大学大学院生物資源環境科学府
-
平松 和昭
九州大学大学院
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