残胃初発癌症例に関する検討
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概要
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最初に当教室で経験した4例の残胃初発癌症例について報告した. いずれも胃潰瘍または十二指腸潰瘍に対する幽門側胃切除後の残胃に発生した症例で, 3例では初回手術後18年以上を経過し, また1例の病変は IIc 型の早期胃癌であった. 全例に胃再切除を施行し, とくに治癒切除を行った2例は術後4年以上を経過した現在なお健在である. ついで, これらの症例を含む151例の本邦報告例について, その臨床・病理学的所見を分析した成績を述べた. 年齢は40歳代にピークがあり, 男性が多く, 胃潰瘍手術後および幽門側胃切除 B II 吻合後の症例が高頻度にみられた. 過半数の症例の病変は断端部, 吻合部あるいは残胃小弯全域に発生し, また早期胃癌が20例含まれていた. 56.3% の症例に胃再切除が行われており, 早期診断, 早期発見によって予後改善の余地が十分にあるものと考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1979-10-01
著者
-
島津 久明
東京大学第1外科
-
野村 和成
東京大学第一外科
-
草間 悟
東京大学第1外科
-
富山 次郎
東京大学第1外科
-
小堀 鴎一郎
東京大学第1外科
-
谷 昌尚
東京大学第一外科
-
子堀 鴎一郎
東京大学第1外科
-
小堀 鴎一郎
自治医科大学 消化器一般外科
-
宮川 静一郎
東京日立病院外科
-
保坂 茂文
東京大学第1外科
-
草間 悟
東京大学教授:(現)日本医学会医学用語管理委員長
-
富山 次郎
焼津市立総合病院
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