腫瘍マーカーの臨床応用
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概要
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腫瘍マーカーの臨床的意義は高危険度群患者の追跡,がん診断の補助,がんの生物学的特性の鑑別,進行度と予後の推定,治療経過の観察と再発の発見などにある.消化器がんには多数の腫瘍マーカーがあるが,早期診断に有用なものはない.唯一,肝細胞癌が慢性ウイルス性肝炎と肝硬変症は血清α_1-fetoprotein(AFP)とprohrombim inhibitor produced by vitamin k defficiency(PIVKA-2)の定期的な測定で比較的早期に診断される.また,術前血清マーカー値が独立の予後因子であることが証明された.胃や食道では産生腫瘍マーカーやがん遺伝子の過剰発現から予後不良のがんが診断できる.治療効果判定には定期的な定量測定が有効であり,血中半減期と治療後の最低レベルが治療の根治度を,術後の増加が再発の前兆を示す.がん遺伝子,抑制遺伝子と遺伝子産物が腫瘍マーカーとして利用され,糞便抽出液や膵液の検査で早期診断が可能となろう.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-03-01
著者
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