細小肝癌と早期胃癌の同時性重複の1例
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概要
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肝癌と胃癌は重複癌の中では比較的多い組み合せであるが,両者とも根治手術可能であった症例は少ない.今回われわれは,細小肝癌と早期胃癌の重複癌を同時に切除しえた症例を経験したので報告する.症例は56歳男性で心窩部異和感を訴え受診した.胃内視鏡にてIIc型早期胃癌,さらに腹部超音波,腹部computed tomographyおよび腹部血管造影にて細小肝癌と診断,胃亜全摘術および肝部分切除術を同時に施行した.術後1年で肝癌再発を認めたため,経大腿動脈法にて固有肝動脈内にカテーテルを挿管し動注癌化学療法を施行,術後1年4か月の現在,健在である.本邦において根治手術が可能であった肝胃重複癌の報告は本症例を含めて27例ある.これらの症例を検討すると予後は肝硬変,肝癌により左右されており,肝癌の早期発見とともに肝癌に対する積極的な集学的癌治療が必要であると考えられた.なお,細小肝癌と早期胃癌の組み合わせは本症例が3例目である.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1990-01-01
著者
-
井藤 久雄
鳥取大学第一病理
-
井藤 久雄
広島大学医学部第1病理
-
井藤 久雄
鳥取大学器官病理
-
佐野 敏明
双三中央病院内科
-
栗栖 佳宏
国立大田病院外科
-
井藤 久雄
鳥取大学医学部第一病理
-
黒井 克昌
都立駒込病院乳腺外科
-
甲斐 良樹
市立三次中央病院外科
-
黒井 克昌
双三中央病院外科
-
丸山 高司
双三中央病院外科
-
栗栖 佳宏
双三中央病院外科
-
小浦 義彦
双三中央病院外科
-
中村 眞己
双三中央病院外科
-
甲斐 良樹
双三中央病院外科
-
小浦 義彦
本郷中央病院外科
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