韓国の花崗岩と片麻岩流域における降雨流出特性の差異(<特集>地形プロセスにおけるロックコントロール)
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概要
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花崗岩と片麻岩は韓半島の面積の70%以上を占める代表的な岩石である.そこで,本研究ではとくに1998年の豪雨に伴い多くの斜面崩壊や土石流が発生した韓国中部ソウル周辺において観測小流域を設け,降雨流出特性の比較検討を行った.その結果,片麻岩流域では常時流水が見られ,また少量の降雨に対する流出の応答は花崗岩よりやや敏感である.一方,花崗岩流域では夏季を除いて降雨時以外は流水が極めて少ないか全く見られない.こうしたことから,花崗岩流域では早い流出が卓越する一方,片麻岩流域では土層ないしは基盤岩石に貯留されて流出する成分が卓越する可能性がある.
- 日本地形学連合の論文
- 2002-03-25
著者
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松倉 公憲
筑波大学地球科学系
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田中 幸哉
防災科学技術研究所水・土砂防災研究部
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金 泰鎬
大韓民国済州大学校師範大学社会教育科
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金 泰鎬
済州大学校地理教育科
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田中 幸哉
慶煕大学校文理科大学地理学科
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金 泰鏑
済州大学校地理教育科
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