心タンポナーデが発見動機となった浸潤型胸腺腫2例
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概要
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胸腺腫が心・大血管系に直接浸潤することは少なくないが,大量の心嚢液貯留による心タンポナーデを初発症状として発見されることはまれである.今回,心タンポナーデを初発症状として発見された浸潤型胸腺腫の2例を経験した.症例1は63歳男性,主訴は咳嗽,動悸,症例2は59歳女性,息切れ,動悸を主訴に来院.胸部X線写真で両者とも心陰影の拡大を認めたが,腫瘤影は確認されなかった.胸部CTでは大量心嚢液と前縦隔に腫瘤影を認めた.症例1は手術により可及的な腫瘍の摘出を行なった.リンパ球優位の胸腺腫であった.症例2は経皮生検にて胸腺腫と診断された.遠隔転移を認めたため化学・放射線治療を施行した.心タンポナーデに対する迅速な対応と集学的治療により予後の改善が期待しうるものと考えられる.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2003-11-15
著者
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林 哲也
大阪医科大学第三内科学教室
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佐々木 進次郎
大阪医科大学胸部外科
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森田 琢也
大阪医科大学胸部外科
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川上 万平
大阪医科大学胸部外科学教室
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時津 浩輔
大阪医科大学胸部外科学教室
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林 哲也
大阪医科大学第3内科
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佐々木 進次郎
大阪医科大学 第一内科学
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佐々木 進次郎
大阪医科大学
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橋本 隆彦
大阪医科大学胸部外科
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時津 浩輔
大阪医科大学胸部外科
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森田 琢也
大阪医科大学呼吸器外科
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林 哲也
大阪医科大学 内科学講座第三内科学教室
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林 哲也
大阪医科大学 内科学iii
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森田 琢也
大阪医科大学 胸部外科学教室
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