『児童文選』とその後継誌についての研究
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概要
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1910年代末から1940年代において,各種の綴方学習雑誌が月刊で発行されている.本論文は,1927年頃に創刊されたとみられる雑誌『児童文選』(帝国普通教育奨励学会)およびその後継誌とみられる『児童綴方』(児童綴方教育奨励会)『新生綴方』(同前)について検討する.『児童文選』は綴方の「添削批評」を目的とする会の会誌であり,会員の文集の性格を有していた.その後,『児童綴方』への改題を機に読物が加わるが,綴方の「批評添削」の会の会誌としての性格は保持していた.両誌は東京府の都市部(1932年10月以降の東京市域)の教育に関心の高い家庭や教師に基盤を持っていた.1932年には,会員制を止めて,市販雑誌『新生綴方』として再発足をしたが,おおよそ1年後に,類似誌に統合する形で終刊した.『児童文選』や『児童綴方』のような綴方学習雑誌が存在した背景には,国語科綴り方の成績向上に対する保護者の期待があったものとみられる.
- 文教大学の論文
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