ナモグリバエの生態学的研究 : 第 3 報成虫の摂食・産卵習生について(農学部門)

概要

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特にエンドウ葉を選好して, 春季に著しい被害をあたえるナモグリバエPhytomyza horticola GOUREAの個体群動態の基礎的研究として異なる年令の雌雄の組合わせによる雌成虫の摂食穿孔数・産卵数および生存日数ならびにそれらの組合わせによる次代の卵・幼虫・蛹の各発育期間を調査したが, 組合わせによるそれらへの影響は明らかでなかった。摂食穿孔数・産卵数ともに寄主葉(エンドウ)の裏面に多く, 産卵数については葉の表と裏との間には有意差が認められた。また, 摂食穿孔数・産卵数はともに葉の周縁部や葉尖部に多いが, 葉表における産卵は葉の周縁部で全体の約86.5%, 葉裏では葉尖部に約67%を占めた。葉面積と摂食穿孔数・産卵数との間には顕著な相関はみられなかった。上部位葉または葉裏における摂食穿孔数と産卵数との間には正相関がみられた。さらに, 雌成虫の寄主植物1葉に対する産卵調節機構の存在については結論づけられなかった。
京都府立大学の論文