S-210JA-29号機による電離層プラズマの観測結果(f.極域電離層)(第2回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム : Part II)
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概要
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S-210JA-29号機は第18次南極地域観測隊によって,1977年7月12日19時15分(LT)に発射された.電子密度高度分布は85-115kmのE_s層の存在を示し,その密度は2-4×10^4/cm^3である.D領域(70km以下)のenhancementはなく,また115km以上の高さでは,密度の著しい単調減少を示している.このプロファイルは,今までの夜間の測定結果と比較すると,かなり低い密度を示していることが注目される.この時のリオメータ,イオノグラムおよびマグネトグラムの記録は静穏であることを示している.また観測された静電ノイズのスペクトルは,高度に対してきわめて著しい変化を示している.上昇時高度95-106km,下降時103-112kmにおいて,ゆらぎの振幅が大きくなり,1-2kHzにピークをもち,スペクトルは高周波側へ伸びているのが観測された.今回観測されたノイズが自然のものであるとすると,スペクトルの数kHz帯の成分は,2流体プラズマ不安定性によるイオン波の可能性を示唆する.
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