南極海ライギョダマシ魚肉の脂質分析

概要

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南極産ライギョダマシ(Dissostichus mawsoni NORMAN)骨格筋の脂質ならびに脂肪酸分析を行い,次の結果を得た.中性脂質は総脂質の98%を占めたが,リン脂質はわずか2%,またはそれ以下であることが薄層クロマトグラフィー,およびカラムクロマトグラフィー分析により明らかとなった.直接ガスクロマトグラフィーによって,トリグリセリドの主要分子種はC_<44>,C_<46>,C_<48>,C_<50>,C_<52>およびC_<54>であり,その脂肪酸組成は他の海産魚油中のものと類似しており,主要成分はC_<16:0>,C_<18:0>,C_<16:1>,C_<18:1>,C_<18:2>,C_<20:5>およびC_<22:6>で,少量ながらC_<20:1>,C_<22:1>およびC_<24:1>が含まれていた.また,グリセリドにおける脂肪酸の位置特異性をリパーゼ,およびホスホリパーゼA_2を用いてしらべたところ,1位には飽和およびモノエン脂肪酸が結合し,2位には多不飽和脂肪酸が多く結合していた.