組織状大豆タンパク製品のひき肉への利用研究
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概要
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組織状大豆タンパク製品(TSP)をひき肉に混合した時の品質への影響について,保存中の安定性(とくにmetMbの変化)を中心とし,さらに一般成分,調理時の損失などについて検討し,次の結果を得た。(1)牛ひき肉または豚ひき肉のmetMbを吸光比法(Broumandらの方法)とCO化法(佐野らの方法)により求めた値はほぼ一致し吸光比法が簡易測定法として利用できた。(2)ひき肉のかっ変はmetMb含量が40〜50%になると,肉眼的に明らかに認められる。(3)TSP混合ひき肉の製造において,TSPの水もどし時間,TSPと肉をチョッパーでひく回数は製品の保存中におけるmetMbの増加に影響をおよぼさない。しかしTSP混合ひき肉は外観上より2回びきする必要がある。(4)TSP混合ひき肉は外観上ひき肉のみと比較して赤みがやや減少するが,TSPの肉への混合はその保存中におけるmetMbの増加に影響をあたえない。(5)TSP混合ひき肉の保存中におけるmetMbの増加は脂肪含量,空気,保存温度,光線照射のなかで,保存温度による影響が最も著しい。(6)市販の牛ひき肉は試料により脂肪含量がかなり異なる。したがって水分,タンパク質含量も異なる。(7)TSP混合ひき肉はひき肉のみと比較してタンパク質含量はほぼ同じである。(8)TSP混合ひき肉はひき肉のみと比較して調理時の損失が少ない。終りにのぞみ市販ひき肉の一般成分分析をして載きました当研究所分析担当者に深謝いたします。
- 日本調理科学会の論文
- 1975-06-20
著者
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