調理操作による根菜中無機8元素含有量の変化
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概要
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根菜類5種(ダイコン、カブ、ニンジン、レンコン、ゴボウ)について、調理操作別(生、水ゆで2分、水ゆで5分、水ゆで10分、マイクロ波加熱I、マイクロ波加熱II)に無機8元素の含有量を塩酸抽出法による原子吸光・フレーム分析法で測定し残存率の検討を行い、次の結果を得た。1.ゆで加熱においては、残存率が低い元素(ナトリウム、カリウム)と、高い元素(マグネシウム、カルシウム、銅、マンガン、鉄、亜鉛)に大別できた。2.ゆで加熱2分、5分、10分の残存率は、低い残存率の元素で概略60%、50%、40%と経時的に減少したが、高い残存率の元素では2分と5分が約80%、10分が約70%であり、2分と5分の加熱時間の間に有意差は認められなかった。3.マイクロ波加熱は、ゆで時間に比べて残存率が高く、ダイコン、ゴボウのカルシウムを除けば各元素とも80〜90%前後を示し、元素による残存率の差は少なかった。しかし、加熱後冷却水に浸水するか、しないかの要因では差があり、5試料・8元素平均の残存率でMWII94±4%、MWI86±4%と浸水した方の残存率が有意に低かった。4.食品試料の特色として、ダイコンは、ナトリウム、カリウムのゆで加熱による減少が大きかった。ゆで10分でナトリウムは生鮮試料の1/3、カリウムは1/4量に減少した。カブ、ニンジン、レンコンはカルシウムの残存率が高かった。ゴボウは主要4元素中ナトリウム、カリウム、カルシウムの残存率が低く、マグネシウムと微量4元素は高いという傾向が顕著であった。また、カルシウムと鉄は調理操作別残存率の変化が少なく、その全調理操作平均残存率はカルシウム57±4%、鉄96±2%であった。
- 1990-02-20
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