「ほう」の葉の防腐防黴効果について
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概要
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岐阜県飛騨地方において,日常の食生活によく使われるほうの葉の防腐,防黴効果を追求する目的で,つぎの実験を行なった.ほう葉風乾物の温湯抽出液を10%,5%,1%の割合で混入した試験培地を用い, Escherihia coli, Bacillus subtilis, Asperigillus nigerを培養した.その結果つぎの成績を得た.(1) E. coliは,ほう葉抽出液5%混合培地における菌集落数は,対照より減少の傾向が認められた.同じく10%混合培地においては,菌集落数の減少傾向が著るしく,全く発育の認められないものもあった.(2) B. Subtilisは,10%混合培地においてわずかに菌集落数の減少傾向かみられた.(3) Asp. nigerは,いずれの試験培地においても,減少傾向が認められなかった.以上の成績から,ほう葉抽出液は,E. coliに対して,発育抑制作用があると考えられるが,その原因を,追求するには至らなかった.「ほうの葉」で食品を包むという実用的段階における,防腐,防黴効果については,なお多くの検討すべき要因が残されている.本研究にあたり種々のご教示とご便宜を賜わりました名古屋大学長学部並本満夫教授,本学助教授高橋平八郎,藤井富美子両先生,名古屋市衛生研究所中村竜夫氏ならびに,実験にご協力いただいた本学研究員岩瀬幸子氏に,あつく御礼申し上げます.
- 名古屋女子大学の論文
- 1969-03-15
著者
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