本みりんの調理特性に関する研究 : 第2報 : ジャガイモの煮崩れ防止効果

概要

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水,本みりん,煮切りみりん及びエタノール溶液にジャガイモを浸漬した時の浸漬液の分析を行い,可溶性成分の溶出抑制効果の解明を行った。さらに,浸漬及び加熱調理後のジャガイモ切断面を電子顕微鏡で観察し,煮崩れ防止効果について解明を行った。(1) ジャガイモに含まれる可溶性成分の溶出を抑制する調理効果に寄与する浸漬液中の成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では可溶性成分の溶出抑制効果が低く,本みりんのように両成分を含有する調味料が最もジャガイモの可溶性成分の溶出抑制効果が高かった。(2) ジャガイモを加熱調理する前にあらかじめ浸漬調理を行なうと,浸漬液の成分によっては加熱調理したジャガイモの煮崩れ防止効果があることが明らかとなった。煮崩れ防止効果はジャガイモ内部でも発現しており,エタノールが重要な役割を果たしているものと考えられる。(3) ジャガイモの煮崩れ防止効果に寄与する成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では煮崩れ防止効果は低く,本みりんのように両成分を含有する調味料が最も煮崩れ防止効果が高かった。
日本調理科学会の論文
2000-05-20