ルーおよびソースの流動性と嗜好性に与える加熱温度の影響
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概要
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未加熱の小麦粉とバターの等量混合物および各加熱温度段階(100, 120, 140, 160, 180℃)のルーおよびそれから作られたソースについての流動性, およびソースの嗜好性について調べた結果は次ぎの通りである。1) ルーの性状に火力と鍋の材質, 材料の配合割合は影響を与えたが, いずれの場合も, 加熱温度が90℃から110℃位までの試料が泡立つ温度帯は温度上昇の速度は小さかった。2) 未加熱の試料から120℃ルーまでは, みかけの粘度は急激に下がったが, 120℃ルーから180℃のルーまでのそれはほぼ同じであった。そして各加熱温度段階の全てのルーは非ニュートン流体で, 時間依存の軟化現象であるチキソトロピー的な流動の特徴を明らかに示した。特に未加熱の試料と100℃ルーではそれが顕著にみられた。3) ソースについては, 未加熱, 100℃, 120℃, 140℃ルーから作ったソースは粘度はかなり類似しており, 非ニュートン流体でチキソトロピー的な流動の特徴を示した。しかし160℃ルーからのソースでは粘度は急激に下がり, チキソトロピー的な流動が見られなくなり, 180℃ルーからのソースでは更に粘度は下がり, ニュートン流体に近づいた。4) ソースの官能評価により, 風味については淡黄色の140℃のルーからのソースが最も良く, 粘りについてはルーの加熱温度が低いものほど粘ると評価された。そして各ソースとも風味は総合評価とは非常に高い順位相関を示し1%の危険率で有意であったが, 粘りと総合評価とはいずれのソースも相関がほとんど見られなかった。
- 1995-08-20
著者
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