中央アルプスにおけるマツノキハバチの高山型に関する研究 : II. 高山型と低地型の幼虫と成虫の形態的形質の比較
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概要
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本研究は,長野県駒ケ根市の中央アルプス木曾駒ヶ岳(標高約2,600m)の高山型と,長野県上伊那郡南箕輪村の信州大学農学部周辺(標高約760m)の低地型マツノキハバチについて,1983∼1985年に幼虫と成虫の形態的形質の比較を試みたものである。幼虫の頭部の大きさおよび成虫の体長,頭部,翅および脚部の大きさをはじめとして,さらに幼虫の斑紋,腹部第3体節の小環節上における剛毛状小棘数,上唇前縁の形および成虫の触角節数,雄成虫の第9腹板の形,雌の産卵管の環帯の数などに両型の間にちがいがみられた。このように,両型はそれぞれ高山と低地という異なった環境に適応して生息しているために,標高差が両型の間の幼虫と成虫の形態的形質にかなりのちがいをもたらしたものと思われる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1990-05-25
著者
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