モンシロチョウの幼虫密度が発育に及ぼす影響について
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概要
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モンシロチョウの幼虫を25°Cの恒温,自然日長下で密度を種々変えて飼育し,幼虫密度が幼虫期,よう期の諸形質に友ぼす影響,ひいては成虫の生理的形質にどのような変化がみられるかを調べた。また,特に内部に起こる変化にも注目して実験を行なった。その結果,次のようなことが明らかになった。1) 幼虫期の発育速度は,中間区で速く,単独区でおそい。2) 精巣の容積は中間区で大きい。3) 内分泌器官の変化:アラタ体の大きさは密集区で大きく,単独区および中間区で小さい。いんこう下神経球は単独区で大きく,中間区および密集区で小さい。4) 幼虫の体重は中間区で重く,密集区で軽い。5) 幼虫期およびよう期の死亡率は密集区で高く,中間区で低い。6) さなぎの体重は中間区で重く,密集区で軽い。7) よう化率は中間区で高く,密集区で低い。8) 成虫の体重は中間区および単独区で重く,密集区で軽い。9) 雌成虫の寿命は中間区で長く,密集区で短い。10) 羽化率は中間区で高く,密集区で低い。11) さなぎの期間は各区とも顕著な差は認められない。なお,内分泌器官の変化とこれら各ステージの諸形質との間には何らかの関係があると考えられるが,今の段階でははっきりと結論はできない。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1960-09-30
著者
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