ツノロウムシのHoneydew排泄と, それによる殺虫剤の効果判定法
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概要
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ツノロウムシをカボチャによって飼育し,その発育にともなうhoneydewの排泄状態を観察し,さらに一定の大きさの紙に受け取られたhoneydew小斑の数から殺虫剤の効果を判定する方法を考案した。Honeydewの排泄は発育の初期にその頻度が高く,発育にともなってこれが減少した。また,honeydew小斑1個の量はこれを排泄する個体の大きさをよく反映していることがうかがわれた。このことから,ツノロウムシにおいては発育初期に摂食活動が大きいことが推定された。Honeydew小斑の排泄頻度は1日のうちでも一定の変化があり,18:00∼20:00時に最も頻度が高く,6:00∼8:00時に最低となった。ツノロウムシの幼虫と成虫,およびモモアカアブラムシについて,殺虫剤のほ場試験にhoneydew小斑数を指標として用いることにより,薬剤処理1∼2日後で各薬剤の殺虫効果を判定することができた。この方法は生死鑑別の困難なカイガラムシ類の殺虫試験にはとくに有効であると考えられる。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1969-09-25
著者
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