モモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガ成虫の触角感覚器の外部形態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
走査型電子顕微鏡を用いてモモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガ成虫の触角上の感覚器について形態, 数, 分布を比較検討した。観察に先立ち同一試料で検体の全面を観察できる特殊な試料固定装置を考案作製した。両種の触角からはBahm's bristle, s.styloconicum, s.trichodeum, s.chaeticum, s.squamiformium, s.basiconicum, s.auricillicum, s.coeloconicumの合計8種類の感覚器が見いだされ, これらの感覚器の形態および分布様式には性差あるいは種間差はなかった。一方, いずれの種においても, s.trichodeumは雌よりも雄に多く, その数は8,000〜8,500本(雄), 6,500〜6,800本(雌)であり, 逆にs.basiconicumは雄(760本)よりも雌(1,400本)に多く見いだされた。しかし, 残りの7種類の感覚器に関しては数の上での性差は両種にはみられなかった。以上の結果から, モモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガは, すでにそれぞれの触角上の嗅覚感覚器の匂い物質に対する感受性は一部分化しているが, 感覚器の大きな形態的分化はまだ起きてないと結論した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1989-11-25
著者
関連論文
- I104 チャバネゴキブリにおける二つのアセチルコリンエステラーゼの組織局在
- D66 キボシカミキリのエステラーゼアイソザイム型にみられる地理的変異(地理的分布・地理的変異)
- J61 野生アオイ科植物の抽出物に対するワタミゾウムシの摂食忌避反応(生理活性物質)
- A218 ブランコヤドリバエの寄主探索における寄主糞の役割 : カイロモン濃度による行動決定(寄生・捕食生物的防除)
- C123 ブランコヤドリバエの寄主探索における寄主糞の役割(寄生・捕食・生物的防除)
- A309 ブランコヤドリバエの寄主選択における物理的要因(寄生・捕食 生物的防除)
- キク科植物におけるブタクサハムシ摂食刺激物質の分布と寄主選好性との関係
- G108 ブタクサハムシが摂食刺激物質を含有するキク科植物を食害する可能性(寄主選択 耐虫性)
- A102 アニサチンの GABA_A レセプターチャネル複合体に対する作用
- H207 カキノヘクムシガの性フェロモン成分同定(生理活性物質)
- E103 カキノヘタムシガの性フェロモン成分の推定(生理活性物質)
- F217 カキノヘタムシガの性フェロモン成分の推定(生理活性物質)
- G101 カキノヘタムシガの性フェロモンについて(予報)(生理活性物質)
- H311 トランスポゾンを用いたイエバエの形質転換(分子生物学)
- イエバエ卵に対するマイクロインジェクション技術の確立
- D313 イエバエにおけるmariner様因子の解析(生理学 生化学 発生学 遺伝学)
- E104 イエバエにおけるトランスポゾン、mariner様因子の発見(発生学・遺伝学・毒物学・抵抗性・殺虫剤作用機構)
- G115 カクモンノメイガの性フェロモン-1 : 共役ジエン3成分の同定と室内試験(一般講演)
- モモノゴマダラノメイガ果実系の寄主植物香気に対する産卵反応
- H212 チバクロバネキノコバエの性フェロモン成分としての体表アルデヒド(生理活性物質 飼育法 栄養学)
- A213 ブテンコヤドリバエの加害植物に対するEAG応答(寄生・捕食・生物的防除)
- キアシブトコバチの寄主選好性と寄主適合性に及ぼす寄主齢の影響
- E215 チャノコカクモンハマキの交信撹乱剤に対する感受性低下 : V.雄のEAG応答(生理活性物質,寄主選択・耐虫性)
- E104 寄生蜂ハマキコウラコマユバチの性フェロモン : 1.雄の羽ばたきを引きおこす性フェロモン(生理活性物質)
- D305 カリヤコマユバチにおける植物成分の学習II. : 合成品を用いた生物検定(寄生・捕食・生物的防除)
- F207 チャノコカクモンハマキの交信攪乱剤に対する感受性低下 : IV.交信攪乱成分による前処理効果(生理活性物質)
- A219 Response of Brachymeria lasus Walker (Hymenoptera: Chalcididae) to kairomone of different host conditions
- A119 カリヤコマユバチにおける植物成分の学習(寄生・捕食生物的防除)
- A117 ハマキコウラコマユバチの植物成分に対する学習III : 植物成分の濃度と学習の関係(寄生・捕食生物的防除)
- C132 ハマキコウラコマユバチの植物成分に対する学習 : II.忘却と再学習(寄生・捕食・生物的防除)
- F218 ハマキコウラコマユバチの植物成分に対する学習 : I.条件付けの影響(生態学 行動学)
- C229 熱帯ヤマイモから分離した2種のlsoquinuclidineアルカロイドのコナガ幼虫に対する摂食阻害活性と毒性(生理活性物質)
- <論文>筑波大学井川演習林の昆虫相 その1
- チバクロバネキノコバエBradysia pauperaの雄配偶行動におよぼす照度の影響
- I214 チバクロバネキノコバエの性フェロモンの精製とEADによる候補物質の選定(生理活性物質)
- E309 チバクロバネキノコバエの配偶行動に対する光りの影響(有用昆虫・昆虫機能)
- チバクロバネキノコバエ(Bradysia paupera)の配偶行動とその制御要因
- H203 チバクロバネキノコバエの性フェロモンに対する雄の反応特性(生理活性物質)
- E110 チバクロバネキノコバエ(Bradysia paupera)の配偶行動と性フェロモンの存在(生理活性物質)
- モモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガ成虫の触角感覚器の外部形態
- ネダニRhizoglyphus robini CLAPAREDEの薬剤抵抗性 : II.有機リン剤抵抗性ネダニの抗アセチルコリンエステラーゼ剤に対する交差抵抗性パターン
- D22 ネダニの有機リン剤交差抵抗性について(毒物学・殺虫剤)
- 昆虫誘引物質と微生物
- ホソミスジノメイガ(鱗翅目 : ノメイガ亜科)の性誘引物質としての(E)-10-hexadecenal
- J16 クワノメイガ性フェロモンの同定(フェロモン)
- E25 クワノメイガの性フェロモンの同定(生理活性物質)
- H211 モモノゴマダラノメイガの繁殖生態とフェロモン成分における地理的変異の検討
- チョウの生物学, 本田計一・加藤義臣, (2005), 東京大学出版会, 東京, 629pp., 9,500円(税別)
- 田んぼと畑の虫十話, 常楽武男(2001), 文一総合出版, 東京, 128pp., 1,300円(税別)
- 群集生態学の現在, 佐藤宏明・山本智子・安田宏法, (2001), 京都大学出版会, 京都, 427pp., 3,700円(税別)
- D103 モモノゴマダラノメイガ雄性フェロモンの蓄積器官 : その微細構造と分布(形態学・組織学・発生学・遺伝学)
- F212 モモノゴマダイラノメイガの性フェロモンの新成分としての炭化水素(生理活性物質)
- C213 コブノメイガ、Cnapalocrocis medinalisの雌性フェロモン成分の野外における誘引性(生理活性物質)
- D206 コブノメイガ,Cnaphalocrocis medinalisの性フェロモン(2)(生理活性・物質)
- A112 コブノメイガ、Cnaphalocrocis medinalis G.の性フェロモン(1) 第一成分Z-13-オクタデセナールの同定(フェロモン)
- D18 ワタノメイガの簡易人工飼料による累代飼育法(生理学・生化学)
- B1 ワタノメイガの羽化・交尾時刻及び処女雌粗抽出物に対する反応(フェロモン・行動制御)
- C217 ベニフキノメイガ, Pyrausta panopealis (Walker)の雌性フェロモン(生理活性物質)
- モモノゴマダラノメイガ2系間の生殖隔離
- ディハイドロピラゾール系殺虫剤 DPX-JW062 のラット末梢神経系の電位依存性ナトリウムイオン電流に対する抑制作用
- シキミ抽出物の殺虫活性とGABA(A)レセプターチャネル複合体に対する抑制作用
- E221 モモノゴマダラノメイガの雄性フェロモンの分泌部位とその構造(動物行動学・行動生態学 有用昆虫・昆虫機能利用)
- E220 モモノゴマダラノメイガの雄性フェロモン(動物行動学・行動生態学 有用昆虫・昆虫機能利用)
- D210 キボシカミキリの接触刺激性の性フェロモン活性主成分について(生理活性・物質)
- 果樹害虫ノメイガ亜科の生分類に関する一連の研究(1993年度学会賞受賞記念講演要旨)
- F209 キボシカミキリ、Psacothea hilaris (PASCOE)の性フェロモンの分析(予報)(フェロモン)
- F202 性フェロモン成分からみた日本産ワタノメイガの再検討(フェロモン)
- 日本産カミキリムシ検索図説, 大林延夫, 佐藤正孝, 小島圭三編, (1992), 東海大学出版会, 東京, 696pp., 18,000円, ISBN 4-486-01181-3
- I2 キボシカミキリの配偶行動 : 行動の日周変化(行動・日周行動・配偶行動)
- C9 ワタノメイガの性フェロモン成分(生理活性物質)
- B31 キボシカミキリの配偶行動 : 体の大きさの配偶行動に及ぼす影響(生態学・行動学)
- C51 キボシカミキリの配偶行動 : 雌モデルの形、大きさ及び色の雄行動への影響(行動学)
- C23 キボシカミキリ成虫の触覚上感覚器の外部形態(形態学・組織学)
- TE2 モモノゴマダラノメイガの寄主選択 : 近縁種間の比較(昆虫の寄主植物選択 : 第4回IPC討論会)
- E28 キボシカミキリの配偶行動 : 雄による雌の認知(行動学)
- B11 クワノメイガの性フェロモンの構造 : 特にtriene acetateの可能性(フェロモン・行動制御物質)
- B5 モモノゴマダラノメイガに対する糸状菌代謝物の産卵誘引活性(II)(フェロモン・行動制御物質)
- モモノゴマダラノメイガ果実系とマツ科系幼虫の寄主植物抽出物および含有糖類に対する摂食反応
- J06 モモノゴマダラノメイガに対する糸状菌代謝産物の産卵誘引活性(フェロモン)
- B08 クワノメイガの色彩変異型,褐色型の発見とその性質(生物地理・進化)
- 昆虫誘引物質, 平野千里著, (1985), UP バイオロジー・シリーズ (58), 東京大学出版会, 東京, 98pp., 1,200円
- F32 クワノメイガの配偶行動及び性フェロモンの生物検定法(フェロモン・生理活性物質)
- F10 ウラナミシジミの寄主選択 : 3 幼虫の糖およびアミノ酸に対する摂食反応(生理学・生化学・寄主選好性・耐虫性)
- ウラナミシジミのフジマメに対する産卵習性と幼虫の摂食習性
- D19 クワノメイガの人工飼料育(生理学・生化学)
- B-65 ウラナミシジミの寄主選択2. : 幼虫の摂食刺激物質(行動学・フェロモン・寄主選好性)