ディハイドロピラゾール系殺虫剤 DPX-JW062 のラット末梢神経系の電位依存性ナトリウムイオン電流に対する抑制作用
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概要
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Dihydropyrazole系殺虫剤DPX-JW062の作用機構を明らかにするために, 哺乳類の末梢神経系に存在する電位依存性ナトリウムチャネルに対する作用を電気生理学的手法であるホールセルパッチクランプ法を用いて検討した.DPX-JW062はナトリウム電流のピーク電流を濃度依存的に抑制したが, その作用は強くなかった.ナトリウム電流の不活性化過程を表す時定数は2成分あったが, そのうち速い成分はDPX-JW062によって影響を受けなかったのに対して, 遅い成分はDPX-JW062の濃度依存的に減少した.またピークに達するまでの時間は濃度依存的に延長した.以上の結果からDPX-JW062は哺乳類のナトリウムチャネルに対する作用は弱いことが示され, この殺虫剤の選択毒性の機構の一つになっている可能性が示唆された.またナトリウムチャネルの不活性化過程の2成分に対して異なった作用を示したことと, ピークに達するまでの時間が濃度依存的に減少したことから, DPX-JW062の作用がナトリウムチャネルのサブタイプ間で異なる可能性があることが示唆された.
- 日本農薬学会の論文
- 1998-02-20
著者
-
本田 洋
筑波大学院・生命環境
-
正野 俊夫
Laboratory of Applied Zoology, Institute of Agriculture and Forestry, University of Tsukuba
-
池田 朋子
筑波大・農林
-
永田 啓一
Laboratory of Applied Entomology, School of Agricultural Sciences, Nagoya University
-
永田 啓一
理化学研究所
-
Nagata Keiichi
Institute Of Agriculture And Forestry University Of Tsukuba
-
池田 朋子
Laboratory of Applied Zoology, Institute of Agriculture and Forestry, University of Tsukuba
-
本田 洋
Laboratory of Applied Zoology, Institute of Agriculture and Forestry, University of Tsukuba
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