飼料混入法によるBacillus thuringiensis製剤のカイコ検定 : 2. 発育阻害活性にもとづく評価
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概要
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わが国ではBT剤の品質管理を目的とした生物検定における検定昆虫としてカイコが利用されてきた。検定は3齢カイコ幼虫を用いて投与5日後の致死率をもとに検体と標準品の半数致死濃度(LC_<50>)が比較され,製剤の力価が算定されてきた。本報ではBT剤としてKM202水和剤を用い,飼料混入法によるカイコ2齢および3齢幼虫試験で投与48時間の生存個体の体重増加量を測定し,投与区と無投与区の比較から発育阻害率を求めた。濃度と発育阻害率の関係をプロビット法で解析した結果,両者は直線回帰を示し,半数発育阻害濃度(EC_<50>)を算定することができた。2齢および3齢幼虫に対するEC_<50>には差がなく,LC_<50>と比較すると約1/10であった。また,20℃と25℃の条件における2齢幼虫に対するEC_<50gtは差がなかった。これらの結果から,BT剤の品質管理におけるカイコ検定は25℃で2齢幼虫に連続給餌した48h後の体重増加抑制量をもとにした発育阻害活性(EC_<50>)で評価が可能であること,従来の致死活性(LC_<50>)評価より検定期間が25℃で5日から2日に短縮できることが示された。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2003-11-25
著者
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