5."こく"を作り出す製造・加工法 : 天然系調味料の開発経験から(<総説特集>食べのおいしさと"こく")
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概要
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近年、"こく"という言葉をよく耳にする。甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の基本味で、おいしさを表現し切れない場合に使用されているのは確かなようである。私が開発に従事する天然系調味料の世界でも、"こく"に関連する表現が使用される。ただし、私たちは調味料の呈味機能中心に評価しているので、"こく"というより"コク味"という表現を使用する。したがって、説明では、"コク味"という表現に統一させていただきたい。"コク味"を感じる状態は多くの言葉で表現される。現在、私たちは開発において共有化が容易なように"コク味"を感じる状態を表現する言葉を、関連する内容で3グループに分けている。また、"コク味"をつくる手段として、適切な調味料使用法の開発、特徴的な"コク味"を発現する成分組成の開発、コク味を付与する成分・素材の探索があると考えられる。各手段とも非常に大事である。ここでは、最近、コク味を付与する成分・素材の探索について、新たな知見が見出されつつあるので、その内容を詳細に紹介したい。具体的には"肉汁中の有効成分探索"、"有効含硫成分の探索"、"麹を用いたたん白加水分解物の開発"である。
- 日本味と匂学会の論文
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