あいりん地区における結核治療継続のためのDOTSの効用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大阪市は日本一結核の罹患率の高い都市と言われている。ことに,日雇い労働者の多く集まるあいりん地区の結核罹患率は10万人あたり1,636.7と全国平均の47倍の高率である。その対策として,大阪市はあいりん地区の結核患者を対象に,継続治療のためDOTS(直接服薬確認による短期化学療法)を採用し,治療の中断を防ぐことにした。その結果,平成13年3月末日,DOTS療法を初めて行った22名のうち,平成13年9月末日にDOTS療法を完了した者は19名(86.4%)で,中断したものは3名(13.7%)であった。この値は,東京,川崎などとほぼ同じ数値であった。なお,これら22名のうち,過去に結核治療の中断歴のあるものは6例で,そのうちDOTSを中断したものは僅か1例にすぎず,残りの5例はDOTSを完了した。これらの事実から,DOTSが継続的な結核治療として有効なものであることがわかった。なお,DOTSの成功率の高い患者は,受診時に自分の経歴や,身の上話をしていく者が多く,このことはDOTSナースの存在がDOTS治療のために必要であることを示唆していた。
- 藍野大学の論文
- 2002-03-15
著者
関連論文
- 核家族における乳幼児期の母親の育児不安 : 育児不安に影響する人的環境要因
- 乳幼児期における母親の育児問題 : 乳児期の発育発達と母親の育児問題との関係
- 保健師教育と専攻科修了生の就業状況について
- あいりん地区における結核治療継続のためのDOTSの効用
- 仕事を持つ母親の疲労自覚症状の基礎的研究 : 食生活と健康への関心を中心に
- 性別・年代別飲酒量と肝機能検査値との関連
- 在宅介護支援センターの活動実態と課題
- 地域看護実習(II)における実習到達度の検討
- 青少年の自殺予防-藍野医療フォーラム2008「青少年の自殺予防を考える」を開催して-
- 地域看護実習(2)における実習到達度の検討
- 精神障害者継続訪問実習評価
- 高齢者の継続訪問実習レポートの評価