妊婦の体型と妊娠中の体重増加が分娩に及ぼす影響
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概要
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Kaup指数による非妊娠時体型と妊娠中の体重増加量が分娩に及ぼす影響について検討を加え,以下の結果を得た。1.非妊娠時Kaup指数は初産婦で20.1±3.8,経産婦20.0±2.3,分娩時Kaup指数は初産婦で24.0±3.3,経産婦24.0±2.4であった。2.非妊娠時体型では,肥満群に妊娠中毒症が好発し,特に蛋白尿が高率にみられた。また,分娩時出血量は経産婦において肥満群に有意に多かった。陣痛促進率は肥満群に有意に多く,肥満妊婦は自然の陣痛が発来しにくく,帝王切開率も多い。肥満と分娩所要時間については,陣痛促進率との関係が大きいため有意差はみられなかった。3.非妊時の体型別にみた体重増加量は,やせ群9.5±3.6kg,標準群10.0±3.2kg,肥満群8.6±3.1kgであり,肥満群の体重増加量が最も少なかった。児の生下時体重は増加度の高い群ほど大きく,3000g程度の新生児を分娩するにはやせ群では体重増加量が10〜12kg,標準群では9kg程度の増加量が望ましいと思われる。肥満群については特に指標が認められなかった。妊娠中の体重増加を妊娠初期,中期,末期別にみるとそれぞれ,0.88±1.8kg,4.8±1.9kg,4.1±1.9kgであった。肥満群では妊娠末期の体重増加量が多く,有意差がみられた。以上のことから妊婦の体重コントロールに非妊時体型を算出することは意義が大きく,妊婦の個々に合わせた栄養指導が必要である。
- 順天堂大学の論文
- 1995-03-25
著者
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