進行ガン患者と看護者が考える「癒し」
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概要
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進行ガン患者は, ガンと告知され入院治療を受けてから, 社会復帰して日常生活を送る経過の中で, どのような「癒される」体験をしているのか, また看護者は患者の「癒し」をどのように捉えているかを明らかにする研究を行った.外来通院中の進行ガン患者15名と看護者12名にインタビューを行い, その逐語録をデータとし質的分析を行った.その結果, 患者が感じる「癒し」からは, 他者とのつながりを実感する, 感情の調和, 日常性とのつながり, 健康回復への希望をもつ, 社会とのつながりを回復する, 新しい自己への気づき, 神仏への祈り, 自然との触れ合いの8つの背景が導き出された.看護者が考える患者の「癒し」は, 他者とのつながりを実感する, 側にいてくれる・共感, 健康回復への希望, 社会とのつながりを回復する, 自己の存在の再確認, 神仏への祈り, 自然との触れ合い, その人らしい日常生活が送れる, 身体的苦痛がない等が具体的な内容であった.両者の癒し観は概ね一致したが, 患者の癒える力を信じ, 患者の思いに近づく必要性も示唆された.
著者
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