<特別寄稿>ケアリング・マインド : 安らぎと癒しの場としての「床」を中心に
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概要
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最近,ケアリングに社会的な関心が集まっている.ことに,複雑にして機械化した医療の中で,本来のケア業務をなす時間が奪われつつある看護関係者によって注目されるようになってきた.その背景には精神的な安らぎを求め始めた社会の意識の変化がある.ケアリングとは,対象を深く気づかいつつその利益を願って行動していくことであり,看護行為そのものであるともいえる.ケアリング・マインドとはそうした行為をなす心のあり方である.ケアリングとはまさに聖書が記す小さい人々への「隣人愛」の実践にも通じる概念であるが,その手段の一つは, 「もてなし」の実践において示されている.そしてその「もてなし」のプロセスの中心には,「床(とこ)」の存在があった.この「床」はまた,看護業務においても最重要な部分であるため,その深い意味を考察することは,看護におけるケアリングの意味を再確認することにもなるのである.本稿では,「床」が象徴する「もてなし」の具体的意味を主として聖書と『戒律』において考察し,わが国における看護の文化ないしはケアリング文化の再建を主張した.
著者
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