情報開示とプライバシーの保護 : 日本における合法的脳死移植から新たに浮上した問題
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概要
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わが国で臓器移植法が施行されたのは1997年10月であった。それから16ヵ月後の1999年2月に最初の合法的脳死移植が実施された時.それまで論議されなかった問題が新たに浮上した。それは情報開示とプライバシーの保護に関する問題である。両者の間にどうバランスをもたせるのか。2001年3月までに13例の脳死移植の実施をみた。しかし.依然として本問題は解決していないように思われる。そこで本稿ではこの問題に焦点を絞って考察したが.本問題を解決するために筆者は次の4点を提言した。1)情報開示の時期は法的脳死判定確定時にし.以後はリアルタイムで開示してゆくがよい。判定に至るプロセスは後の検証時に合わせて公表する。2)情報開示の範囲は後の医学的.倫理的検証に必要な全項目とするが.個人を特定する情報は開示しない。3)情報の開示は関連医療施設が求めに応じて.15才以上の判断能力を有する全ての個人に責任をもって実施する。4)特に本問題に関しては.ジャーナリズムの倫理が強く求められる。
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