帯に関する研究(第1報) : 越原家所蔵の帯について
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概要
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越原春子先生が製作し,着用された付け帯11点の計測及び着装を試みた結果,構成と機能の面から4種類に分けられる.第1類は帯地と帯芯によって構成される縫い帯で,結びつけたお太鼓と胴の部分がつながった形式である.第2類は単帯の素材で,同じくお太鼓と胴の部分がつながった形式である.第3類は単帯の素材で,結びつけたお太鼓と胴の部分に分かれた形式である.第4類は単帯の素材で,胴の部分だけの形式である.縫製の面では,お太鼓の部分は厚紙と綿を含ませた帯枕が入り,裏面の平面図で見られるように,細かくタックが入って,お太鼓の上部に自然な曲線が出されている.胴の部分も,前中心の所には前板に相当する厚紙が入り,たいへん丈夫に縫製されている.着物を着用させたボディに付け帯を着装させた結果,お太鼓部分の形が作りつけてあるので,胴の部分を一巻きして,帯の両端につけられた紐を結びつけるのみで帯結びは完了し,その後装飾として帯揚げと帯じめを結び加えればよいことが把握できた.このように洋装のベルトをする要領で,ワンタッチに帯結びが出来る簡便さと,それぞれの帯地に合わせたバランスの良い構成寸法と丈夫な縫製に,あらためて春子先生の偉業を認識する次第である.さらに現代の和装にもこの簡便な付け帯を受けついでゆきたいと考える.
- 1988-03-01
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