コダーイの音楽教育思想とソルフェージ教育
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概要
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恵まれた音楽環境の中で育ったコダーイが,本確的な音楽の勉強を始めたのは9歳であった.15歳の時に初めての作品(管弦楽と合唱のためのミサ曲)を出して以来,生涯に渡って作曲活動を行う.マジール民謡の収集とその研究,教育作品の編集と教育指導,そしてそれらのまとめとして行なっていた執筆活動等々,残された業績は多くかつ偉大である.現在,コダーイ・メソードとして音楽教育の中で脚光を浴びているシステムもその足跡の一片であり,彼がもった教育理念から提起されたものである.理念の大意を述べるなら,1)子どもがもつ最初の音に対するイメージが自分自身の歌から発生している場合,内的聴感が発達する.民族のもつ自国語の歌をもってうたうことこそ音楽する第1の条件である.2)多くの音のパターンを知ることは,音楽上の読み書きを知ることである.ペンタトニックソルファーによって調性感を養い,音をきき分けることのできる耳を育てねばならない.3)音楽は総合活動である.うたうことを基盤として,子どもの理解に応じたあらゆる音楽構成上の知識を獲得させるように仕向け,豊かな情操を育て人間教育の糧とせねばならない,となる.音楽教育に携る者は,対象者の年齢のいかんを問わずコダーイのもった精神をふまえ,常に前向きの姿勢で内容の検討を行い,工夫した指導に当るよう心掛けていきたい.
- 1987-03-01
著者
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