音に対するイメージについて : 保育者養成校で学ぶ学生が好む調性
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概要
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子どもたちの表現活動を「豊かにさせたい」と願うならば,当然,人的環境である指導者自身の表現力が問われることになる。内面的,主観的なもの(自己の心に描かれた思い)を何等かの手段に託して表出するということは,演技力もさることながら,自己がもつ感性とイメージする力に支配される。従って,教員養成校の学生にとって大切なことは,あらゆる場合,臨機応変で,しかも素直な直観的行動(イメージする力)が取れることであろう。イメージの育て方は,絵画をはじめ多岐に渡るが,今回は子どもの生活と切り離すことのできない音楽活動(調性嗜好)を取り上げ調査してみた。イメージの育成に関しては,技術の優劣より直観的発見とそれを如何に表現するかの力量に掛かって来る。今回の「調べ」についての調査は,一応,最低線の楽典が理解されている学生がもつ,内的感情を素直に表現させる素地を作ろうと試みたものである。2大学の学生で領域「表現」の授業を取っている者168名を調査対象とし,指導者の移調演奏するアメリカ民謡「メリーさんのひつじ」を聴き,好みの調性をえらばせることを手始めに,既成の詞にメロデーを付けたり,既成曲に合う作詩をさせたりしたものから,学生の好む調性を知ろうとしたものである。我々は,今回の調査結果で学生に不足している諸々を発見した。今後の授業方針として,この結果を踏まえ,調性の理解が深められる内容を盛り込んでいきたいと考える。
- 1994-03-05
著者
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