海面埋立地内高率酸化池の微生物学的汚濁海水処理機構

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海面埋立廃棄物処分地内に設けられている汚濁海水処理施設である高率酸化池に生息している細菌群の生理機能の把握と高率酸化池の汚水処理機能との関連を明らかにするとともに,優占菌による汚濁海水の浄化能について検討を加えた。高率酸化池には好気条件でブドウ糖などの糖質を利用できる菌群はほとんど認められなかった。一方,嫌気条件下でブドウ糖を利用する菌群は季節変動が観察され夏季に多くなる傾向を示した。硝酸還元能を有する菌群の存在比率も季節変動がみられ,冬季に増加することを認めた。高率酸化池から分離した優占菌(Microccus, Paracoccus, Acinetobactetr, Moraxella, Aerococcusなどの各属)による汚濁海水浄化能を解析するため,TOC,COD,有機窒素,アンモニア性窒素,亜硝酸性窒素および硝酸性窒素の除去率について調べた。30℃,一週間の好気的処理を行なった結果,COD,有機窒素あるいはアンモニア性窒素などが10〜25%程度減少し,優占菌種により汚濁海水が浄化されることが示された。しかしその汚水浄化能は属による差はみられず,各株に特有な機能と考えられた。微生物学的脱窒作用に関しては夏季に硝化細菌による硝酸化成作用が行なわれ,優占菌種であるMicroccoccusやParacoccus属などの脱窒菌により硝酸からの脱窒反応が活発に行われていること示示された。一方,冬季には硝化細菌教示激減し硝酸化成作用がほとんど行なわれていないことが明らかになった。
岐阜大学の論文
1988-12-25

海面埋立地内高率酸化池の微生物学的汚濁海水処理機構

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