ダイズ種子の裂皮発生機構とその防止に関する研究 : 第3報裂皮が種子の発芽及び出芽に及ぼす影響

概要

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裂皮粒率が高く,しかも同一品種内に点形,線形及び不定形の3種類の裂皮粒を含むダイズ品種「出来過1号」を供試して,裂皮の種類と発芽及び出芽との関係を調べた。1.採種後9ヵ月及び12ヵ月間室温で貯蔵した種子の30℃湿潤ろ紙上での発芽率は,裂皮程度の高い不定形及び線形裂皮粒で低く,また貯蔵期間が長い程,裂皮粒の発芽率の低下が著しかった。2.播種箱を用いて土壌に播種し,覆土の厚さを2cmとし,30℃,25℃及び15℃のコイトトロン内で出芽実験を行った。その結果,いずれの温度においても,裂皮粒の出芽率が低く,点形,線形,不定形の順に裂皮程度が高くなるにつれて出芽率は低下した。また,出芽速度にも差がみられ,裂皮粒特に裂皮程度の高い粒において出芽が遅れ,初期生育も遅延する傾向にあった。3.以上の結果,裂皮は子実の外観的品質を悪くするだけでなく,発芽率,出芽率,出芽速度及び初期生育の遅延等種子の活力低下を促進することが明らかにされた。
岐阜大学の論文
1985-12-15