高い盛土法面緑化における植生推移 : 緑化後7年の植生
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概要
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図1及び2に示されるような高い盛土法面における,緑化後7年の植生推移について調査検討した。この法面は中部山岳国立公園内(海技1350m)に位置している。従って,法面の緑化にあたっては,***ージョンの防止効果を期待すると同時に周囲景観との調和等についても検討しなければならない。今回の調査結果を要約すると次の通りである。1.植生を法面全体でみると,播種草種及びそれに混入していたと考えられる草種が,SDR3値からも明らかなように7年後も依然として優勢であった。2.緑化後,かなりの自生種の侵入がみられたが,これら草種間では種の交代が認められた。また,コミネカエデ・イタヤカエデ・ウリカエデ等の木本植物の侵入,定着もみられた。3.表2に示されるように,土壌水分条件,土壌の強熱損量,土嬢pH等で差違が認められ,これらに対応して主要構成種群及び被度に特徴が認められた。土壌水分と強熱損量間には比較的高い相関々係(r=8.06)が認められ,土壌水分条件の相対的に良い法面では導入草種の生育が良好であるものの種組成は単純であった。この反面,水分条件の悪い法面では,導入種群の生育が不良であるにもかかわらず,種組成は複雑化しつつあることが明らかになった。
- 岐阜大学の論文
- 1983-12-15
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