腹部腫瘤として触知された巨大脾動脈瘤の1例

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概要

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症例は76歳、女性。主訴は左上腹部不快感。左上腹部に不快感が出現し、高脂血症にて通院中の近医にて左上腹部腫瘤を指摘され、精査加療目的に当科紹介となった。USでは径11cm大の内部が低エコーレベルな円形の腫瘤で、層状の壁肥厚が認められた。CTでは腫瘤内部の一部は均一に強く造影され、層状に肥厚した壁は一部石灰化を伴っていた。AAGでは脾動脈起始部から約10cm末梢側の部位で造影剤のpoolingが認められた。以上より脾動脈瘤と診断し、手術を施行した。脾動脈末梢に11cm大の腫瘤を認め、膵尾部との癒着が高度であったため、尾側膵を含めて脾及び動脈瘤を摘出した。摘出標本所見では11X10X9cmの腫瘤で、壁に層状構造が認められた。病理組織学的には内膜に血栓形成、泡状細胞が認められ、中膜の線維化を認めた。外膜は保たれており、真性動脈瘤と診断した。壁の層状構造は長期にわたり内腔に血栓が層状に構築されたものであった。
三重大学の論文
2003-12-25

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