当科における腹腔鏡下虫垂切除術の有用性についての臨床的検討

概要

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腹腔鏡下虫垂切除術はその有用性が報告されているにも関わらず、未だに十分な普及には至っていないのが現状である。 2000年9月より2003年3月までの2年7ヶ月間に当科で経験した急性虫垂炎は129例であり、開腹移行例6例を除く腹腔鏡下手術完遂例(LA群)80例と開腹手術例(OA群)43例について、穿孔の有無別にわけて比較検討を行った。手術時間については両群間に有意差は認められなかったが、非穿孔例の比較ではLA群において有意に入院日数の短縮が認められた。術後の創感染については穿孔例においては両群内に有意差は見られなかったが、非穿孔例の比較では創感染はLA群において有意に減少していた。術後の腹腔鏡膿瘍については穿孔例の比較において両群間に有意差は認められず、非穿孔例においては両群とも1例も認めなかった。以上より、1.非穿孔例、穿孔例とも手術時間に差はない。2.drain managementを伴う穿孔例に比し特に非穿孔例において腹腔鏡下手術は入院日数の短締が十分可能である。3.腹腔鏡下手術は特に非穿孔例において創感染の防止の観点からも有用である。と考えられた。腹腔鏡下虫垂切除術は当科の成績でも緒家の報告の如く術後のquality of lifeの観点からも有用であり、特に救急初診医、外科医は患者にとって福音と成り得ることを認識するべきと思われる。
三重大学の論文
2003-12-25

当科における腹腔鏡下虫垂切除術の有用性についての臨床的検討

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