生体負担度が小さい自律神経機能評価法の検討

概要

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心疾患の診断,生体負担度や疲労度推定など,幅広い場面において,自律神経機能評価のための検査が行われている。代表的な自律神経機能評価法として,仰臥位から立位への姿勢変換直後の立位時の心拍変動や血圧値を解析する起立検査(これを以下従来法という)がある。従来法による起立検査を行うと,起立時にめまいや失神を起こしたり,転倒の危険を伴う場合がある。特に,高齢者や妊婦にとっては,仰臥位から立位への姿勢変換は,苦痛と危険が大きい。そこで,本研究では,失神や転倒などの危険が少なく,かつ,検査時の苦痛や生体負担度が小さい自律神経機能評価法を提案する。提案手法では,従来法に代わり,姿勢変換刺激として,座位から立位への変換を,能動的に,かつ,緩慢な動作で行うものとする。自律神経機能評価に用いる指標は,座位から立位への姿勢変換直後の立位時心拍変動パラメータに対して,このパラメータを説明変数とし,従来法の姿勢変換直後の心拍変動パラメータを目的変数とする重回帰モデルからの推定値とした。提案評価指標は,姿勢変換後の立位時定京状態の心拍変動を用いた場合において,従来法と同精度の自律神経機能評価の可能性が得られた。
大同工業大学の論文