天然水,飲料水中のバナジウムの定量

概要

論文の詳細を見る
天然水,飲料水中の微量パナジウムの定量するために,熱中性子放射化分析と前化学濃縮分離法を組合せた方法を開発,検討した。前化学濃縮操作としては,オキシン(8-キノリノール)を吸着補助剤としたパナジウムの活性炭表面への吸着現象を利用した。試料水500-1000mlに酢酸を加え,pH4-5に調整後,10mlの濃度0.1%のオキシンのエタノール溶液を加えた。10分間かきまぜ,パナジウム/オキシン錯体を生成させ, 50mgの活性炭を加え,さらに30分かきまぜ,吸着させた。活性炭をロ別し照射試料とした。熱中性子照射は100秒間行った。分析線としては,^<51>V(n, γ)^<52>V反応により生成する^<52>Vからの1434kevのγ線を使った。測定は通常のγ線スペクトロメーターを用い,100秒間行った。照射,冷却,測定中の^<52>Vの壊変,測定器のパイルアツプ効果は,データ解析において補正された。本研究の前化学分離操作における,パナジウムの回収率は100%であること,分析値の再現性があることが(相対標準偏差4.2%(n=7))実験的に確認された。種々の水試料に本分析法を適用しバナジウム濃度を求めた。
大同工業大学の論文