配置・昇進・人材育成と管理職の機能
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概要
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この論文は,管理職が人事管理においてどの様な役割を果たしているかに注目する。問題意識は,以下の通りである。(1)管理職の役割として,「監督者」即ちマネジメント・コントロールの担い手の側面と「タスクの遂行者」という側面がある。日本の企業では,「管理職」と「非管理職」との境界は職能資格制度によって決められることが多いので,「管理職」の中に多様な役割の者が含まれていることは容易に想像できる。それでは,ライン管理職は「部下の監督」に専念しているのか。それとも,ライン管理職にも,これまで述べた2面性が混在しているのだろうか。(2)管理職の「監督者」としての役割に注目すると,管理職が有する権限は組織構造によって規定されると考えられる。しかし,こと人事管理に関して言えば,管理職が有する権限は,人事部門との分業関係によって規定される。人事部門と管理職との間で人事管理機能,即ち,「人材育成機能」や「人事機能」はどの様に配分されているのだろうか。こうした問題意識に基づいて,大手企業24社の課長クラスの管理職を対象に質問紙調査を実施した。その結果管理職の「人材育成機能」は「成果主義の強化」や「リストラ下の人手不足」によって低下している。これは管理職の中に「監督者」としての側面と,「タスクの遂行」という側面が混在していることに他ならない。「人事機能」に関しては,管理職や上長が有する「部門の権限」や,管理職の「異動の方針」が大きく影響することが分かった。
- 慶應義塾大学の論文
- 1999-10-25
著者
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