<研究報告>緑色植物の再生現象に対する日光の影響 第7報 : 日光条件を異にする育成地から採取した材料に於ける再生比較(1)
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概要
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この論文ぱ1953年に,日光条件を異にする育成地から採取したトマトの葉条及び葉を挿子材料として行つた再生に関する実験成績の一部である。I 陽材利及び陰材料の葉条挿子をNAA10^<-5>液で浸漬処理した実験第一に於ては,1 陽材料露光区及び陰材料露光区並に遮光露光区では,実験の初期には除頂芽挿子の吸水量が有頂芽よりいくらが劣つたか,間もなく前者が後者より大となつた。之に反して陽材料の遮光露光区では初期には除頂芽の吸水量が有頂芽よりまさつて後には劣つている石。2 発根は陽より陰材料の方が早く,発根挿子数も根数も多い。発根の遅速は陽材料の有頂芽・除頂芽の間では余りはつきりしないが,陰材料では除頂芽が早い。3 陽材料では明かに露光区の再生成績がよく,露光区・遮光露光区共に有頂芽の成績がよい。陰材料では遮光露光区の成績がよく,且つ露光区・遮光露光区共に除頂芽の成績がよい。而して全休を通じて陰材料遮光露光区除頂芽挿子の成績が最もよくなつている。つまり本実験では自然にそなわる生長素含量の最も少いと思わるる挿子の再生成績が最もよくなつている様である。以上の結果から本実験のNAA10^<-5>液処理は過度であつたと推察され,この事は実験第二の結果から見ても明かである。II 次に,陽・陰両材料の葉挿子を用いた実験第三及び第四に於て,NAA液浸漬処理濃度を第三では0,1/5×10^<-5>,1/2×10^<-5>,10^<-5>,1/5×10^<-4>,第四では0,1/9×10^<-5>,1/7×10^<-5>,1/3×10^<-5>,10^<-5>として,主として発根成績を中心に再生成績を比較した。それによると,1 単なる蒸溜水で浸漬した区では陽・陰材料共に発根しなかつた。2 実験第三では再生成績(根数・根長)の最高は陽・陰共にNAA1/5×101/7×10^<-5>,であつた。3 同第四では,陽材料では再生量値の最高はNAA1/9×10^<-5>区(ただし根数の最大は1/3×10^<-5>区)であつたが,陰材料ではその最高は根数と共に循1/3×10^<-5>区てあつた。これでみると,再生量値の最高区は陽より陰の方が高濃度処理のところにあり,根数は比較的濃受が高い方が多くなる傾向がみられる。4 再生量値の大なる区の吸水量が大となつている。
- 1956-02-25
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