氣象要素が貯藏されたる甘藷の組織に及ぼす影響について 第1報
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概要
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茲に記す実験は気象要素の中,温度並に湿度条件が甘藷の塊根の組織に郊何なる影響を及ぼすかを主として体内舞台学(2.3)的見地から考察せんが為に試みられたものである。実験結果の考察の具体的方法としては主に,対生乾量%.含水量及び粉末比重の比較等によることとした。先ず10月に行った実験に於て,1.新鮮健全なる甘藷1個体に於ては,対生乾量%.粉末比重共に皮部組織は内部組織より小でる。2.異なる温度と温度条件の下に於て各区の組織小片個体が尚健全なる場合には,対生乾量%・粉末比重共に,有蓋区が無蓋区より小である。叉常温区の粉末比重は低温区より小。3.異なる温度と湿度条件の下に於ける組織小片のカビの発生の度合は,常温区が低温区より大であり,この場合の対生乾量%・粉末比重共に,健全個体信腐敗(即ちカビの着生している)個体より大である。次に1月に行つた実験では,4.異なる湿度と湿度条件の下に於て,最も腐敗し易いのは,常温有蓋区,次が低温無蓋区並に有蓋区で最後が常温無蓋区である。皮ツキ小片と内部組織小片とでは前者が腐り易い。対生乾量%は健全個体は腐敗個体より大で粉末比重は健全個体が腐敗個体より大の時と反対の時とがあり,而して腐敗率の低い区に於て尚且且びどく腐つている個体では健全小片個体より腐敗小片個体の比重が大である。5.又常温区のみ腐り低温区は全然腐らぬ場合があり,この時の常温区では対生乾量%は健・腐間大差なく,粉末比重は健全個体より腐敗個体が大である。6.甘藷1個体中の建全部と腐敗部とに於ける粉末比重の比較では,腐敗度小なる材料では健全部が腐放部より大で,腐敗度大なる材別では建全部が逆に腐敗部より小である。
- 福岡女子大学の論文
- 1952-04-30
著者
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