倒伏抵抗性検定方法についての一考察
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概要
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1. たわみ重を基礎する倒伏抵抗性検定法を考察するために, コムギ, オオムギ, ハダカムギ, 計25品種を用いて, cL_rと安全率を測定した。2. 生体重に比し稈が長いコムギは, cL_rに比し安全率が大きく計算され, 逆に稈長に比し生体重の重いハダカムギおよびオオムギは, 安全率に比し, cL_rが大きく計算された。3. この差は, cL_rが外力を稈長に比例するものと仮定して, たわみ重Fに対する稈長bの比によって算出されるのに対し, 安全率は結果的には外力が生体重Wに比例するとの仮定のもとに計算されることによるものである。従って安全率とF/Wとの間には著しい相関が認められた。4. 倒伏抵抗性検定方法と外力の推定について考察したが, 外力の推定は必ずしも適確に行なうことが容易でなく, またそのためにあまり複雑な方法を用いることはかえって実用的ではない。実際的には検定材料を外力の受け方の差異, すなわち生育体制の異なる群に分けて検定を行なうこと, および, 生育体制の差に応じてF, F/b, F/W, F/bWを適宣選択して採用することが望ましい。
- 神戸大学の論文
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