児童・生徒認知に関する教師の自己把握
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概要
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教師の自己形成過程において,正確な自己の把握が重要である。教師の行動特徴に自ら気づくことによって,教師の発達が促されると推測される。本研究では,29名の教師自身によって記述された,児童・生徒に対する認知次元と,教師による評価と教師-児童・生徒関係の関連性,それについての教師自身による考察について報告された。教師の認知特徴として明らかにされたのは以下の通りである。a)教師の一般的な児童・生徒認知次元が明らかにされた。b)認知次元上での評価の高低が,対児童・生徒関係と関連した。C)両者の関連が強い次元は,教師が児童・生徒に理想的であることを強く求める次元であった。これらから,教師は教師中心の児童・生徒認知をしていることが示唆された。In teacher's self-formation process, accurate knowledge about self is important. Teachers would improve themselves by becoming conscious of their own behavioral characteristics. This paper analyzed 29 teachers' self-reports on their perception of students, in order to investigate the teachers' perceptual dimensions, how the teachers' evaluations are related to their affective relationships with students, and their discussions about them. The findings were as follows: a) There were general perceptual dimensions among the teachers. b) The teachers' evaluations of students in those perceptual dimensions were related to their affective relationships with students. c) On the dimension where a strong relation was found, the teachers demanded students to be ideal. The results suggested that the teachers perceived their students in teacher-centered ways.
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