少数民族貧困地域における農村家族経営の現状と展望 : 雲南省楚雄イ族自治州江頭村の事例を中心に
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概要
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China is a multinational country composed of Han ethnogenesies 55 of ethnic minorities. The change in rural family farming in minority nationality concentration areas will have a great impact on the development of the Chinese rural economy. The case study area is the Jiang Tou village of the Chu Xiong Yi ethnogenesis autonmous prefecture of Yunnan Province. The following main points were found during the survey. 1) It was found that low productivity of family workers and insufficient farm support by the village and cooperatives as the main restricted factors in improving family farming. 2) The middle-level and low-level farm households want to expand their scale of business, that is, to increase the production of cereal crops and they want to devote major efforts to develop growing tobacco, chestnuts, walnats, raising hogs and so on, in order to acquire more income. 3) Income source in the higher-level farm household have been shifted from farming to other types of industries, such as processing agricultural products and brewery. Their faming is confined to the home consumption.本研究は，江頭村の実態調査を通じて少数民族貧困地域農村経済の発展・変化の過程を考察した。特に個々の農家を対象に，異なったタイプの家族経営の特徴，問題点，経営主の意向などを実証分析した。主な結果は以下の通りである。（1）生産基盤の強化，多角経営の展開である。江頭村は水利，電気施設の建設に取り組み，農地の灌漑条件を改善した。それに従い，食糧，煙草の発展が促進された。そのうえ，養豚，養蚕，養蜂及び栗，胡桃園の建設は相次いで行われている。（2）異なったタイプの家族経営の主な特徴は以下のとおりである。1 温飽型の農家における経営管理水準の低さと，耕種業への過度な集中，2 中流階層の農家における技術の向上と耕地の拡大による食糧の増産及び養豚，或いは養蚕，養蜂による多角経営の展開，3 豊かな農家における醸造，或いは精米所，車の修理等，農業部門以外の経営の進展である。（3）家族経営向上の主な制約要因は，労働力の質の低さ，村・合作社の農家へのサービスの弱さなどである。（4）農家の将来構想については以下のとおりである。中流階層及びそれ以下の農家では，耕地経営面積の拡大を目指し，稲などの収量を向上させ，そして現金獲得の手段として煙草，栗，胡桃，豚など部門に力を入れようと考えている。豊かな農家では食糧生産を自家消費用だけにとどめ，家族経営の重点が農業から，他産業に移っている。
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