<原著>基礎教育課程における医学・医療英語教育の実践と課題 : ESPとしての医学・医療英語教育
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概要
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近年, 国際化・グローバル化が加速度的に進む日本において, 大学における一般教育の見直しがなされ, 外国語教育の改善, 中でも英語教育の活性化がクローズアップされてきた.その論議の中で, 特に「使えない英語」教育を増長するとして, 主として文学作品を精読する教師指導型の教養英語に外部からの多くの批判が向けられてきた.筆者は現状のカリキュラム上の制約があるかぎり, 読解中心の英語教育は基本的で幅広い英語力と教養を身につける一方法として有効であり, また教え育むという教育の視点からも効果的であると見なしている.しかしながら, 教材として用いるテキストの内容と英語が必ずしも学生の将来の専門や興味の対象を意識した学生発信型の教育ではなかったこと, 多様な英語の文体を知るには限定されたこと, さらに語学として英語を習得するには量的にも限られたものであったことなどに問題があると考えられる.筆者は, 近年における英語教育の改革の流れが始まる以前から, 医学・医療の分野を学ぶ学生の目線を考慮に入れ, 教養課程の英語教育にcommunicatvie approachを中心にしたESP(English for Specific Purpose)の主要な2分野であるEST(English for Science and Technology)とEOP(English for Occupational Purpose)を導入し, 医学・医療英語と教養英語との融合を試み実践して来た.筆者はコミュニケーションとは単なる英会話や情報の伝達ではなく, 思想の伝達を意味すると考え, 「使える英語」としての医学・医療英語と教養英語とを有機的に関連づけた教材作成を試み, colnmunicative languageの有効な手段として提示してきた.本稿においては, まず, これまで筆者独自の英語教育法と教材作成とを顧み, 検討する.最後に教材を素材に作成した教案例によって具体的な実践方法を示す, そして次稿において, 川崎医療福祉大学の基礎教育課程におけるESPとしての医学・医療英語教育法と現状を報告し, さらに効果的な医学・医療英語教育を目指して課題を提示する,
- 川崎医療福祉大学の論文
- 1999-06-25
著者
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